今回は、独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)のソフトウェア・エンジニアリング・センター(SEC)が発行している書籍で、ETSSシリーズのはなしである。
以前のブログ ”スキルスタンダード” でITSS/ETSSについて触れた。このETSS(Embedded Technology skill Standards)を有効に活用するために纏めた書籍が下記のETSSシリーズである。
組込みスキル標準 ETSS概説書:ETSSの入門書であり、活用方法が説明されている。
組込みスキル標準 ETSS導入推進者向けガイド:ETSSの導入を考えている担当者にお勧め
組込みスキル標準 ETSS教育プログラムデザインガイド:企業での教育プログラムの開発や運営を考えている担当者にお勧め
ETSSは、ITSSに比べ物量も少なく、比較的導入しやすくなっている。ただし、当然ではあるが、組込みに特化した部分が多いので、組込み開発の組織が前提である。
ITSSと共通して言えることであるが、日本では開発エンジニアというキャリア(職種)の括りの場合が多く、専門的に職種を意識することは少ない。海外では、キャリアパスを長期にわたって検討するため、このようなスキルスタンダードは重要になる。
グローバル化が進む中で、どのように競合力を確保しているかが課題ではあるが、そのひとつは人材育成であり、スキルスタンダードのフレームワークの有効活用である。
企業独自のスキルスタンダード、キャリアパスを考えている場合も多いかもしれないが、終身雇用が崩れ、中途採用が当たり前になる中では、共通言語(ITSS、ETSSなど)を使う必要が生じている。
2013年1月6日 合同会社 コンサランス代表 高安篤史