独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)のソフトウェア・エンジニアリング・センター(SEC)が発行している品質改善関連の書籍は多数ある。
その中で、現状品質改善に取り組み始めているが、このままでうまく進むのか不安であるという方のために特にお勧めな書籍が2冊ある。
1冊目は、高信頼化ソフトウェアのための開発手法ガイドブックである。この本は、レビュー技術やテスト技法について記載があり、自分の組織にあわせてどのようなやり方を採用していくべきか参考になる。また、何と言っても、39の障害の再発防止事例が有効である。長い歴史の中で、障害の根本原因を対策するための再発防止が積み重なり、開発プロセスが出来上がっていると言っても良いが、他の障害事例で少しでも開発プロセスの背景が学習できれば、強みにつながるだろう。また、比較的大きな企業の例ではあるが、信頼性改善の具体的取り組みが記載されている。2-3日はかかるだろうが、信頼度の向上に取り組んでいる、又は取り組もうとしている関係者者は、一度読むと良いと思う。
2冊目は、続 定量的品質予測のススメである。品質の改善を考えるためには、その目標を定量的指標で設定する必要がある。また、測定した指標に問題の兆候があるのか? その対策はどのようにすれば良いのか?などの解決を手助けをしてくれる本である。こちらの本は、以前にブログでも書いたが、組込み開発の場合は、ESQR(組込みソフトウェア開発向け品質作り込みガイド)と合わせて理解することをお勧めする。
2013年1月8日 合同会社 コンサランス代表 高安篤史