4月から新人研修を予定している企業も多いと思います。今回は、新人研修のポイントについてお話したいと思います。
新人研修は、大企業ほど期間が長い傾向にある。中小企業はOJTを基本とし、短時間でoff-JTの研修は終了する場合が多い。
また、外部の研修機関に新人研修を依頼するか、自前で実施するかもポイントである。一般に企業の特色により、検討すべきである。つまり、独自色の強い企業の場合、一般的な研修を用意している研修機関に新人研修を依頼してもメリットは小さい。標準的な企業の場合は、研修機関に依頼した方が効率が良いだろう。
ITを例にすると、Java、C言語などのプログラミング演習であれば、かなりの研修機関が質の高い教材、講師を揃えており、数社の比較ができるため外部委託が良い。言語が特殊であると依頼先が限られ、質の低い確率も高くなる。
最近では、小さな企業でも、奨励金などを使用し、他の企業と合同での集合形式での研修に参加する場合も多くなっている。
我々コンサランス社でも、IT企業向けに新人研修を提供することが多いが、最近は企業にあわせた(カスタマイズした)研修を依頼されることが多くなった。企業独自の文化、強みを確認し、カリキュラム、教材を作成することになるため、それなりに手間はかかるが、やはり効果を考えると、独自色は重要である。
その背景には、一般的な単に常識があり、不可が無い担当者を育てても意味が無いと考える経営者が多くなったからと思われる。やはり、他と同じことをしても勝てないし、他と同じ人間を育てても意味がないということである。
また、IT系の新人研修での重要なポイントは下記と考えている。
①未経験でこれから社会人としてがんばろうと考えている新人は意識が非常に高い。この意識の高さを維持させることが重要である。つまり、未経験であれば研修などで新たなことの経験となり、壁にぶつかることになる。ここで、自信を失わないように、この苦労/失敗があとから活きるということを繰り返し話し、自主的な業務の遂行ができるようにすること。
②学生時代にIT/プログラミングの経験をかなり積んできた新入社員の場合、即戦力ということで、重要な内容を教育せずに業務を任すことがある。この場合、チームでの業務や品質確保ができないエンジニアとなり、数年後ドロップしてしまうことも少なくない。この技術経験がある新人に、チームでの製品開発/製品開発での品質の重要性を教育するのは、この新人教育のタイミングしかないと言っても過言ではない。このタイミングを逃し、問題が発生した後に言っても、反発されることが多い。
以上の様な新人研修でのポイントを踏まえ、経営者/教育担当者の方などは企業の礎となる従業員の能力開発について検討をして欲しいと思います。
2013年1月15日 合同会社 コンサランス代表 高安篤史