超上流工程という言葉がかなり浸透してきたが、3月に独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)のソフトウェア・エンジニアリング・センター(SEC)から公開された資料に「高品質のための超上流工程における企業の課題・取組み事例集」というものがある。
この事例集は、以前に「経営者が参画する要求品質の確保」という書籍と関連するところもあり、企業が必要としている経営戦略とITシステムの融合を課題に、BSCなどを利用した手法で纏められている。
昨今、要求仕様定義に加え、この超上流工程の重要性が認識されてきたことは間違い無いが、課題克服のための指針のための事例集というのはIPAならではのものと思われる。各企業は、複雑化しているステークホルダのニーズを捉え、纏めることにポイントを置いていることは言うまでも無いが、システムの供給側と利用者側のWin-Winの関係をどのように構築するかがもう一つのポイントである。