企業の経営改革を実施する際には、財務分析が基本となる。IT企業などのコンサルティングにおいては、あまり財務分析を重要視しないコンサルタントも多い。
これは、ITコンサルタントの多くが財務を不得手としている場合もある。しかしながら、ITの導入を考えた場合にIT投資の基本になるのは財務情報であり、また問題の症状が明確に顕在化するのも財務情報である。
また、改善の効果を定量的に明確にしないと、IT導入の納得が得られない場合も多い。やはり、財務はコンサルタントの基本である。
ただし、この財務分析であるが、単に決算書だけでは実態が把握できない場合が多い。P/Lにしろ、B/Sにしろ、企業側の解釈で数値が歪められている場合も少なくない。また、中小企業の場合、オーナー一族の資産と分離できていない場合も多く、債務超過、赤字決算でも実質はあまり問題が無いこともある。よくあるのは、その逆で不良資産が多く、倒産に近い形にもかかわらず、数値上は大きな問題に見えないケースである。
この財務分析を実態ベースで把握し、正確な改善計画を立てるスキルがコンサルタントとして重要になる。