ITに関するコンサルティングは、近年では経営コンサルティングの一部として益々重要視されている。
中小企業診断士試験においても、1次試験で経営情報システムという科目が存在し、必須の知識となっている。しかしながら、実際のITコンサルティングは難しい面が多い。
まず、大企業と中小企業においては体制面での違いも含め、コンサルティングでのアプローチは異なる。一般に大企業では社内に情報部門などIT系の専門の部門が存在する。しかし、この1部門が経営戦略とリンクして活動できていないことも多く、部分最適なIT活用になっているのが問題になる。一方、中小企業では、ITリテラシーが低い場合もあるが、社長の認識が足りず、コンサルタントによりITツールを導入したが、なかなかIT活用が進まないということも多い。
中小企業でのITの導入方法として、まずはフリーのツールをお勧めすることがある。やはり、高額なツールを導入しても使い切れないのでは意味が無い。それならば、フリーのツールでお試しを行い、実績を見て有料版に切り替えるという方法もある。それどころか、小規模企業であるならば、Gメール、DropBox、サイボウズLiveといったフリーのツールでも十分の場合も多い。
中小企業の場合、ITに拒否感を示すこともあるため、いかにハードルを低くするかもポイントである。その点、スマホ、タブレットの普及はこのハードルを徐々に低くしている。従来のパソコンと異なり、タッチパネルの操作は直感的でユーザインタフェースは向上している。
何れにしても、思いつきでのIT導入では無く、経営と一体となった戦略的なITコンサルティングが求められている。