日本のものづくり産業の競争力低下が叫ばれて久しい。ではいったい、日本のものづくり産業はどのように変革していけばよいだろうか?
まず、最初になぜ日本の競争力が低下したかの原因を考える必要があるかもしれない。しかしながら、この原因は単純に考えた方が良いと思う。勤勉さなどの日本の国民性や賃金の安さから日本は高度成長を遂げた。あの時代に人たちの仕事ぶりは猛烈だった。
現在、人々は豊かになり人件費が高騰し、方法の差はあれ発展途上国が日本と似たような方法で急激に成長を遂げてきた。つまり、この状況はある程度想定内として受け入れるべきである。また、あの時代が良かったとか、あの時代のやり方が良いという考え方も、現在の競争力をさらに低下させることになると考える。
それでは、これから他国をライバルと考え、日本のものづくり産業を強化させるためにはどうしたら良いだろうか?一つ目は、さきほど述べたように日本は一番という考えは止め、チャレンジャーとして謙虚なマインドをもつべきだと考える。二つ目は、ビジネスモデルを考え、より収益を生む構造とすべきである。そのための経営戦略をトップマネジメントが考えることが必要である。三つ目は、それらを支える人材育成を計画的に実施することが重要である。四つ目は、他国との差別化のための品質の向上が欠かせない。
最後の五つ目は、それらを支える政府の成長戦略が重要である。このあたりは、表面的な景気に振り回されることなく、しっかり実施してもらいたい。