さて、次は”⑤ソリューションのアセスメントと妥当性確認”である。ここでは、今までに分析した内容から抽出された問題の解決案、業務の実行策などのソリューションを評価する。
今までに、ステークホルダーからの意見や、業務の分析による見える化などを実施してきた過程で、対応策が数多く出てきているはずである。ここでは、重複している案、類似の案をグループ化するなどが必要になる。
特に、前回のやりかた(As_Is)に対する考えは重要である。前回のやり方に固執しすぎると、真の改革はできない。といっても、完全に無視したのでは、業務が進まないことが多い。また、前回のやり方から今回の案に移行する際の影響を正確に把握したい。この影響はステークホルダー毎に分析し、”⑥要求のマネジメントとコミュニケーション”へつなげていく必要がある。
ここで、具体例をお話したいと思う。採用では、ステークホルダー毎に要求が異なるのが一般的だと述べた。例えば、スキルよりモチベーション(意識の高さ)を重視する傾向が強いことがよくある。超一流大学に通っておりスキルも高いが、当社への志望順位が非常に低い学生だ。この学生が他社を全て不合格になり、当社に入社した場合、希望がする会社で無かったという気持ちが常に底辺にあり、成果に結びつかないため、逆に採用を見送るケースも多い。
上記の場合の、採用担当者のソリューションは、この学生の志望優先順位をあげさせることである。口説くのである。少なくとも、このように自分を高く評価してくれる会社に好印象を持たない人はいない。こういった、ソリューションが既に洗い出されていれば良いが、もし未だアセスメントの結果、課題が残っていれば、再度分析をやり直すことも重要である。