一通り、対応方法が固まってきた次は、この”⑥要求のマネジメントとコミュニケーション”である。今までのエリアも重要であったが、ここで手を抜くと全てが水の泡になることも多い。
”②引き出し”にて、ステークホルダーからの真の要求や意見を引き出せた。もし、ここで本音を聞き出さず、会社方針、社長の意向だけで進めると失敗の可能性は残っているものの、大きな不満は出ない。逆に、”②引き出し”にて、ステークホルダーからの真の要求や意見を引き出したにもかかわらず、要求が満足できない場合は、大きな火種になる可能性がある。つまり、折角本音で話したのに、配属時には全く意図した社員が来なかった。何のためのヒアリングだったのか?ということになる。
それでは、ステークホルダーの真の要求は全て満足できるだろうか?答えは否である。つまり、具体的にした人材像を求めて採用活動をしても、その通りに応募者が集まる保証は無い。また、面接などで全ての応募者の本質を見抜けるわけではない。また、隣の芝は青く見えるもので、他部署に配属された社員の方が優秀に写ることも多い。
”⑥要求のマネジメントとコミュニケーション”で必要なのは、これらの調整である。ステークホルダーの要求がかなわなかった場合に、その理由なども含め、意思疎通(コミュニケーション)をとることが重要である。
また、実際の採用活動では、配属後の教育が非常に重要となる。全てが満足できる人材を採用することは困難であり、採用時点の評価として不足している点を配属先に正確に伝え、育成計画も関係者で検討することが重要である。また、配属後のフォローも継続して実施することで、不満は軽減するし、次回の採用活動に役立つはずである。この次回へのフィードバックはまさしくPDCAであり、マネジメントである。